ネルトリンゲンの街歩き・ドイツ中世の魅力が残る町

ネルトリンゲン(Nordlingen) は、バイエルン州に位置する、まるでタイムマシンに乗ったような中世の魅力がそのまま色濃く残る町です。円形の城壁に囲まれた不思議な街・ネルトリンゲンを紹介します。

１０００年の城壁を持つ街

ネルトリンゲンは、バイエルン州の小さな街。
中央ヨーロッパの豊かな歴史と文化を感じることができる町で、その歴史は千年以上にも及びます。

ネルトリンゲンの特徴はなんと言っても町の周りを取り囲む中世の城壁。城壁全体がほぼ完全に残っている都市はとても珍しく、壮大な景観は文化遺産としてもとても貴重な街です。

城壁には数々の塔や門があり、内部には歴史博物館や展望台も。壁の内側に広がる小さくも美しい町並みも、訪れる人々を魅了しています。特に、ダニエル塔からの眺めは絶景で、町の美しさを一望することができます。

クレーターによって生まれた街

ネルトリンゲンは綺麗な円形の城壁が有名ですが、実は元々、クレーターの跡地に建設された町だということが分かっています。
約１万５０００年前に衝突した巨大な隕石跡に人々が住み始め、そこに城壁を築いて生まれた街という、なんだか嘘のような不思議な歴史もネルトリンゲンの魅力の一つ。市内の博物館などで歴史についての資料を見ることもできます。

ネルトリンゲンの面積は６８km²。町が出来てしまうなんてとても大きい隕石ですね。
現在は約２万人ほどの人が住んでいます。

ノルトリンゲンのおすすめスポット

ダニエル塔 (Kirchturm Daniel)

ダニエル塔はネルトリンゲンの城壁にある印象的な塔で、街の最も有名な場所です。
この塔は中世の城壁の一部として建設され、展望台からはネルトリンゲンの美しい町並みや周辺の風景を一望できます。
塔までの狭くて急な階段を登るのは疲れますが、特に夕日の時間帯に訪れると、美しい夕焼けを楽しむことができます。ここの看板娘は塔の鳩退治をする猫、三毛猫のヴェンデルシュタイン(Wendelstein) 。会えたらいいことがあるかも！

聖ゲオルク教会 (Dom St. Georg )

聖ゲオルグ教会はゴシック様式の美しい教会で、ネルトリンゲンのランドマークの一つです。

建設は14世紀に始まり、その後何度か改装を行い敷地を広げていったようです。 教会内部は真っ白で、天井や祭壇の装飾など美術的な見どころも多いです。

市庁舎 (Steinhaus zu Nördlingen)

1382年から600年以上にわたって市庁舎となっている歴史ある建物ですが、特別な特徴は1600年代に新たに建てられた「スエヴィット・ハウシュタインの階段」です。
階段の台座の奥深くには、かつての窓のない刑務所の独房があり、現在はその入り口だけ見ることができます。

「進撃の巨人」のモデル？

巨人との戦いを描く日本の人気アニメ・漫画作品の「進撃の巨人」は、ネルトリンゲンがモデルという噂があるそうです。円形に取り囲んだ城壁と街の様子ががアニメの世界観にそっくりなのだとか。
ドイツでは近年アニメファンも増えているので、この町が似ている！と話題になったのかもしれませんね。

ミュンヘンからは車・鉄道ともに約２時間ほど。作品を知らなくても十分魅力に溢れ、街歩きの楽しめる街ですが、作品を知っている方はストーリーに重ねて歩くのも楽しいかもしれません。