ドイツ暮らしのVLOG

白鳥のお城・ノイシュバンシュタイン城

ロマンチックな姿を一目見ようと世界中から観光客が訪れるノイシュバンシュタイン城。
実はミュンヘンからは車で約1時間半ほどで行くことができます。ノイシュバンシュタイン城の魅力と実際に行ってみた様子をご紹介します。

絵本から飛び出した、現実逃避のためのお城

ノイシュバンシュタイン城は、ドイツ・バイエルン州のシュバンガウに位置し、19世紀にゴシック様式・ロマネスク様式などを織り交ぜて建設されたお城です。

中世騎士道に憧れるロマンチストだったバイエルン王・ルートヴィヒ2世が政治からの現実逃避のために建てました。王は政治や経済に興味がなく、外交そっちのけでお気に入りの作曲家・ワーグナーへのパトロン活動に特に熱心だったといいます。

内部には彼の愛したワーグナーの作品にちなんだ部屋や壁画が溢れています


豪華な装飾をふんだんに施していますが、外交や要塞としての機能は全くないという完全な趣味のお城。借金も重なり、浪費の象徴として当時は大きな批判にさらされました。

夢とロマンの詰まったこのお城は制作から17年後にやっと居住できるまでになりましたが、半年後には王が亡くなってしまったために建設工事が中断。

財政難を理由にそのまま未完のお城となりました

亡き王は完全に自分だけの秘密の空間であることを夢見ていたようですが、死後3ヶ月には有料で一般公開されるように。

近代の建築のため、長らく世界遺産には登録されないと思われていましたが、2015年には暫定リストに登録されて本申請待ちということです。

ディズニー城のモデル

ノイシュバンシュタイン城は直訳すると新白鳥石城。この地に昔あった白鳥石城から名付けられたようですが、真っ白でエレガントな外観にもぴったりの名前ですよね。

カリフォルニア・ディズニー城のモデルとなったことでも有名で、まさにメルヘンの世界観に溢れています。

外観のデザインは建築家ではなく宮廷の舞台美術家によるものということで、隅々までこだわりが見てとれます。

ルートヴィヒ2世。現実逃避感のあるこの写真がちょっとお気に入りです。

ノイシュバンシュタイン城へのアクセス

ノイシュバンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)
所在地: Neuschwansteinstraße 20, 87645 Schwangau
営業時間:9:00~18:00(10/16〜3/23:10:00~16:00)
閉城日:1月1日・12月24日〜25日・12月31日

ミュンヘンから鉄道で

ドイツ鉄道 ・Deutsche Bahn で電車とバスを乗り継いで行くことができます。

ノイシュバンシュタイン城の最寄りはバス停のホーエンシュバンガウ(Hohenschwangau) です。鉄道はバイエルン州内の鉄道が1日乗り放題になるバイエルンチケットを使うとお得ですが、朝9時からしか使えないので注意が必要です。


ミュンヘン中央駅 (München Hauptbahnhof) からフュッセン駅 (Füssen)まで約2時間。フュッセンからバスがあり、停留所のホーエンシュバンガウ まで乗車します。

ふもとにはインフォメーションセンターも

車で行く場合はルートに注意!

今回私たちは車で行きました。ミュンヘンからはアウトバーンを使って1時間半〜2時間程度で、日帰りもできる距離です。
駐車場は1日停めて10ユーロとお得。

ノイシュバンシュタイン城はオーストリアの国境近くに位置しているので、アウトバーンで間違えたり、迂回ルートなどでオーストリアの道がナビに表示される場合があります。


アウトバーンでオーストリア国境を通過するときは、事前にViniette / Maut (通行証)を購入しなければいけませんので、注意してください。

車で行くと、道路からノイシュバンシュタイン城が見えてきます

駐車場・最寄駅からお城までの道のり

お城までは徒歩か馬車、バスもあります

駐車場・最寄りの駅からは徒歩で20分〜、馬車で10分程度の道のりです。舗装された坂道で、周辺の景色などを楽しみながらのんびり登れます。

お天気が良ければ登れる方が多いと思いますが、天候などに応じて小さなお子さんや足が悪い方は無理せずバスなどを利用してみてください

坂を登る途中には街を見渡せるスポットも



バスは格安で、ノイシュバンシュタインが見えるマリエン橋も経由してくれます。



馬車は10人ほど乗せて何往復もしているようなので、馬が大丈夫かな?と思わず心配してしまいましたが、荷台にはモーターがついていて補助的な役割をしているようです。

馬車の停留所(下り)

マリエン橋からの風景

遠回りになりますが、ぜひ通ってほしいルートはマリエン橋。城の反対側にかかる吊り橋から、有名なアングルで写真を撮ることができます

道順はパネルで案内がありますが、脇道から入っていく人もちらほらいました。山なので危険なことはしないようにしましょう!



橋の下は崖なので、ちょっと怖いです。

ノイシュバンシュタインといえばこの写真!

ノイシュバンシュタイン城内部を見学してみよう

内部見学は事前のチケット購入が必須

ノイシュバンシュタイン城の内部見学はツアーのみです。チケット購入は事前にオンラインか、ふもとのチケット売り場のみ。城前まで行ってしまうと購入できませんので注意してください。

売り場は大抵混んでいますし、ツアー人数も決まっていることから観光シーズンは当日券の売り切れも。予約手数料がかかりますが、スムーズな移動を考えるとオンライン購入がおすすめです!

公式サイトはこちらから。日時・時間指定の上購入し、QRコードを印刷かダウンロードして使えます。

周辺のお城やミュージアムを一緒に回れるセットのチケットなどもおすすめです。

集合場所の注意点

私は内部ツアーに参加したのは今回が初めてでしたが、チケットに記載されている集合場所の中庭というのがちょっとわかりづらかったです。


前回来た時は開いていたのですが、お城の門が閉まっていて大きな門番さんもいたので、ちょっと入りづらい雰囲気でした。

見返したら2018年は開いてました。この先が中庭

実際は門番さんにチケットを見せて入ったところが集合場所の中庭です。

チケットには15分前には中庭にいてくださいと書いてありました。入場は電光掲示板に表示された同じグループ番号の20人くらいで入るという方式です。

自分の番号が表示されるのは予約時間の10分前から5分後までなので、この時間を過ぎると次のグループが表示されてしまい、入れなくなります。

ちなみにスタッフさんなどは中庭にはいませんでした…何も知らずギリギリに着いていたら焦ってしまっていたかも。

電光掲示板の左上の番号を見て待ちます。

無人の入場ゲートを通れたら、通路に入る入り口からお城に入るとやっとツアーガイドの方が。

イヤホンを渡してくれます。ガイドさんと離れていても、しっかり声が聞こえるので便利でした。ガイドはチケットの予約時に英語とドイツ語から選びます。

内部の写真撮影は禁止

内部は写真撮影が禁止されています。あまり細かくお伝えできないのが残念なのですが、内装は外観の真っ白なイメージとはまた違って、どこかオリエンタルな雰囲気すら漂う豪華な作りになっていました。

1度も使われることのなかった王座のある広間 – depositphoto


黄色味の強いゴールドと色彩豊かな壁画。なんとなくフランス風の内装をイメージしていたので、新鮮な驚きがありました。

床のパネルにはさまざまな動物が描かれています -depositphoto
全体的に煌びやかで豪華な装飾-depositphoto

当時としては最先端の技術であるセントラルヒーティング、水洗トイレやエレベーターまであったというハイテクな部分も見どころです。家来たちの住んでいたエリアやキッチンなどのバックヤードも見学することができました。

ツアーは30分ほどで、タンホイザーの大広間で解散。その後のルートは自由に見て回ることが可能。
最後は城内のショップなども白鳥グッズなどが充実していて楽しめます。

おすすめのチェックポイント

内部でのおすすめはなんと言ってもワーグナーへの愛情がわかる壁画やお部屋など。

オペラ「トリスタンとイゾルデ」のシーンがいくつも描かれた寝室の壁画も素敵でしたが、「タンホイザー」のクライマックス・歌合戦のシーンの歌仙の間を再現した広場は特に圧巻です。


オペラ好きの方はもちろん、あまり興味のない方もお城の見学前に一度あらすじをおさらいしたり、鑑賞しておくとあのシーンだ!と絵画やオブジェがより楽しめると思います。

まとめ

今回は、日本でも人気のお城・ノイシュバンシュタイン城に行ってみたレポートをお届けしました。

ロマンチックな外観とさまざまな物語から世界的に人気な観光地。まだ肌寒い週末でしたが観光者もたくさんいました。今回は4月でしたが、いつか雪化粧のノイシュバンシュタインも見てみたいです。

実際に行った映像はYoutubeでもご紹介していますので、よければぜひ現地の空気感をご覧ください!

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